2022年新年挨拶
参議院議員 山田宏
新年あけましておめでとうございます。昨年も大変お世話になりありがとうございました。
さて未だコロナの収束が見通せない中、感染リスクの高い歯科医療の場で、細心の注意のもと、県民の口腔の健康維持という崇高な使命を果たしておられますことに心から敬意と感謝を申し上げます。
今、歯科界は感染症の未曾有の蔓延という「かつてない困難」に直面しています。一方、国際的権威ある学術誌では感染や重症化と歯周病との関連を指摘する論文が多く出始め、コロナの今だからこそ口腔管理が重要であり、今こそ感染予防の鍵であることを国民に認識してもらう機会でもあります。
また来年からは、「団塊の世代」が後期高齢者となり始め医療費が急増します。65歳未満の一人当たりの年間医療費が18万円であるのに対し75歳以上の方は93万円。数年前の日経新聞での1000人の医師へのアンケートでは、「このままでは国民皆保険制度は崩壊する」と考える医師が半数に上っているとの衝撃的な報道もありました。
この「かつてない困難」からわが国の誇る国民皆保険制度を守るためには、「なるべく病気にならないように、なっても重症化しないようにする」ための疾病予防・健康政策に、国の施策の重心を移していくことが不可欠です。そしてその柱として、全身の健康につながる口腔の健康を国の政策に位置付ける今こそ大切な機会でもあります。
松下幸之助氏は「かつてない困難からかつてない改革が生まれ、かつてない改革からかつてない飛躍が生まれる」と述べています。今歯科界は「かつてない困難」に直面していますが、これを「かつてない飛躍」への絶好の機会にしていかなければなりません。
昨年の総選挙の自由民主党の政権公約に、初めて「生涯を通じた歯科健診の充実(国民皆歯科健診)を進めます」と記されました。高校まで義務付けている歯科健診を、年一回は全国民が受診することで疾病の予防と国民の健康寿命の延伸につなげ、結果として国民医療費を適正化し、国民皆保険制度の維持を図ろうとするものです。「国民皆歯科健診」は、口腔の健康を体の健康につなげるという国の健康政策の突破口になるはずです。
私は、松下幸之助氏から「リーダにとって最も大事なことは、誰よりも強い熱意を持つこと」と教えられました。私は歯科医師ではありませんが、歯科を日本の健康政策のど真ん中にすえ、誰もが天寿ギリギリまで健康でいられる国をつくりたいという熱意は、誰にも負けないつもりです。
今後も歯科界の明日を拓くことで、日本の明るい未来を築いていきます。
今年も皆さまのご健勝と埼玉県歯科医師連盟の益々のご発展を心より祈念いたします。