2023年新年挨拶

参議院議員 山田宏

 新年あけましておめでとうございます。昨年は選挙の年にもあたり埼玉県歯科医師連盟の先生方には力強いご支援を賜りお陰様で再選を果たすことができました。改めて厚く御礼申し上げます。今後も歯科界を明るくすることで日本の明日を拓いていく決意ですので、引き続きご指導の程よろしくお願いいたします。
 今年は「癸卯(みずのと・う)」の年。「癸」は「はかる」「のり」の意味から「諸事を取り仕切る」意味があり、今年は特にトップが正しく取り仕切れるかが問われます。また「卯」は、閉じられていた門が開いた象形文字で、開かれたばかりの内部は未開拓な状態。「癸卯」は「きぼう」とも読みますが、この年は何らかの新しい可能性が出てくるが、これを見事に開拓できれば順調な年(希望の年)になるが、少しでも誤れば混乱(一揆)ともなる年になります。さらに来年の「甲辰(きのえ・たつ)」は「振」「震」の年、天災など大混乱の年なので、今年を何とか順調に取り仕切り「希望の年」にしていきたいと思います。
 まず物価高騰対策としての「地方創生臨時交付金」からの支給額のバラツキ是正への取り組み、またオンライン資格確認やマイナ保険証義務化に対する各診療所からの個別のお声にはしっかりとお応えしていきます。
 次に私の参議院議員1期目の6年間で「国民皆歯科健診」が党の公約となり、「骨太の方針」として国の重点政策にまで引き上げられ、2期目はその実現こそが私の使命です。今後自民党政調会長直轄の「国民皆歯科健診実現プロジェクトチーム(PT)」の事務局長として、全ての国民に対し歯科健診の機会を拡大しその健診結果を確実に治療に繋げるべく、健診方法やコスト、実現可能性などを踏まえて令和7年度をめどに制度設計を進めます。
 そのため来年度は「国民皆歯科健診」推進事業として約5億4千万円の予算が確保され、効果的な歯科健診のモデル事業や歯周病等検査キット開発支援が進めることになります。そして今年は「国民皆歯科健診」を推進するための議員立法も目指したいと考えています。
 一方、健診によって増加する患者さんに歯科診療所が対応できるよう、歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士の人材確保策も本腰を入れる必要があります。まず歯科医師国家試験は資格試験として一定の水準に達した受験者は全て合格させるべきものであり、仮に歯科医師の需給調整に使われているとしたら本末転倒です。また歯科衛生士や歯科技工士が夢を持って働けるよう診療報酬上の待遇を改善する必要があると同時に、資格者の登録制度の導入などで復職支援や技工物の品質確保など様々な対策を取れるようにしておくべきです。
 他方、「国民皆歯科健診」に向けて歯科診療所の経営基盤の安定化のため、今年は来年の診療報酬改定に向けての勝負の年となりますので、連盟としっかりタッグを組んで初再診料の医科歯科格差の早期是正をはじめ歯科への正当な評価の獲得できるよう頑張りたいと思います。このように「国民皆歯科健診」の実現は、これまで歯科界の抱えてきた様々な課題解決の突破口になるものだと考えています。
 本年も埼玉県歯科医師連盟のご発展と皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。